八の釜憩いの森を守る人々

2008年7月9日 14時54分 | カテゴリー: 活動報告

30年ほど前には、このあたりはもっともっと鬱蒼とした森で、「八」は「谷」で谷底にはぶくぶくと湧き水が出ていた。子どもたちはここを「地獄谷」と呼んでわくわくどきどきの冒険遊びを思いっきり楽しんでいたという。もっとむかし冨士講が盛んな頃には、人々はこのあたりの湧き水で身を清めて富士山や大山へ向かったそうで、庶民の山岳信仰の名残を伝える貴重な文化財でもある。

 今では区がきれいに整備し、地域の「八の釜憩いの森を守り育てる会」の方々が月二回、池の底をさらい、周りの草木を払って清掃活動をしている。その様子を武蔵大学社会学部の学生たちがドキュメンタリー番組に作るために取材するというので行っ
てみた。私もこれまでに数回、地域の方や子どもたちといっしょにこの森と湧水池の生き物調査をした。昨年はホタルが健気に光るのを観たので、学生たちがどんな視点で番組を作ろうとしているのか関心が有る。ザリガニをとっている子どもたちにもインタビューしていた。

 この森を一歩出れば、目白通り、関越道、外環道と幹線道路にクルマがひっきりなしに走る殺戮とした風景だ。この森と池があるからこそかろうじてここに生き物が棲める。外環道建設でこのあたりがすっぽりとジャンクションになってしまえば生き物の姿は消えるだろう。この森を守り育ててきた方々のこれまでの努力も水泡に帰してしまう。国交省は替わりの湧水を探せばよいと言っているが、この森と湧水池を愛し守り育てることに替わりがあるとは思えない。ここでくり広げられている「生きる」、「育てる」、「愛する」の実態をないがしろにしては「練馬区みどりを愛し守りはぐくむ条例」が泣くだろう。